1009.「UQ HOLDER!」感想(起)
「続編」についての話をしよう。
と、言うわけで1回目にして早くも3回目。
私達の世代にはロマンチストが多いのか、続編に拒否反応を示す者も少なくない。しかし私は子供の頃から続編が大好きだ。別れを切り出してきた彼女に代償とばかりに接吻を要求した武田鉄矢ばりの往生際の悪さがそうさせたのだろうか。しかし昔はかなりの名作でも(むしろ名作になればなるほど)続編が描かれる機会は少なかった。出版社側が読者諸兄の空気を読んだのかも知れないが、作家達もまた、「描ききった」という思いと、まっさらに近いゲレンデを目前にして新たな希望に満ち溢れていた時代だったのだろうと思う。
しかし、いまや久米田康治も言うように、このゲレンデはシュプールで塗りつぶされている(茶色)。その過程でコンテンツの延命措置、使いまわしは常套化し、そこそこ売れた作品ならば寝て待てばおのずと続編が動き出す時代になった。私には嬉しい限りである。
前回ネタにした「聖闘士星矢」も、終わった頃は続編の夢を見た(「続編を夢見た」ではない。マジで見た)ものだが、十中八九続編があるとは思っていなかった。しかしてその後は、いくつかのスピンオフを経て、作者自身の手による「真の」続編が現在連載中である(車田ペン入れろってゆーな)。
「ネギま!」が終わったとき、続編は微妙だと思った。「そこそこ売れた作品」には違いないが、作者の意欲・やり残した思い、読者の期待度、市場の需要・出版社の皮算用等あわせて考えると、当落線上ギリギリの感じ・・38巻の「作者からひとこと」を見てもほとぼりがさめた頃の読み切りか短期連載あたりという印象だった。
しかし、少なくともこの作者が「ある」と言えばそれはきっとあるのだろう。
それだけに新作の連載が具体化した頃の「次回作が売れなかったら引退する」発言には違和感を覚えた。私は赤松健のことは良くは知らないが、世間の評価から「不用意な発言をしない堅実派でその分言ったことは違えないタイプ」と認識していた。それゆえ前述の「『ある』と言えばきっとある」との判断に至ったわけだが、「次回作が売れなかったら引退する」となると、「ある」はずのものの可能性が消える。矛と盾である。
私はこれを勝手に、いい意味でこの作者がハジけたのだろうと解釈した。私の好きな漫画家・永井豪は先のことは考えずに勢いで描くタイプ、水島新司は言ったことでも守らないタイプの典型で、赤松健とは真逆である。しかしそれが作品の面白さとしては確実にプラスになっている両巨匠でもある。
赤松健が新連載にあたり、これまでの自分に無かったものを補う意味で敢えてのプロレス的発言・・それが引退発言の真意であり(また、「赤松健は引き際を模索している」「実業家への専念を画策している」との風潮に乗っかったブラックジョークでもあり)、新作がコケても引退する気などさらさらないのだろうと考えた。
しかし、思わぬ抜け道があった。
新作=続編ならば・・いかなる結果になろうとも、どちらの約束も破ることはない。自慢の宇宙機雷をヤマトの諸君に素手で突破された時のデスラー総統の表情が脳裏をよぎった。あるいは承太郎ばりに「してやられたというわけか?」と言う場面か。決して「一度は言ってみたかったセリフ」では無い。いつもの「その手があったか!」とは異なる釈然としない思い・・「赤松健はどこまで行っても赤松健と言うことかッ!ならば私は・・意地でも続編とは認めんッ!!」・・・・・しかしこれはネットの情報に翻弄された私の勇み足。実際に読んでみると、言うほど続編ではなかった。
(続く)
と、言うわけで1回目にして早くも3回目。
私達の世代にはロマンチストが多いのか、続編に拒否反応を示す者も少なくない。しかし私は子供の頃から続編が大好きだ。別れを切り出してきた彼女に代償とばかりに接吻を要求した武田鉄矢ばりの往生際の悪さがそうさせたのだろうか。しかし昔はかなりの名作でも(むしろ名作になればなるほど)続編が描かれる機会は少なかった。出版社側が読者諸兄の空気を読んだのかも知れないが、作家達もまた、「描ききった」という思いと、まっさらに近いゲレンデを目前にして新たな希望に満ち溢れていた時代だったのだろうと思う。
しかし、いまや久米田康治も言うように、このゲレンデはシュプールで塗りつぶされている(茶色)。その過程でコンテンツの延命措置、使いまわしは常套化し、そこそこ売れた作品ならば寝て待てばおのずと続編が動き出す時代になった。私には嬉しい限りである。
前回ネタにした「聖闘士星矢」も、終わった頃は続編の夢を見た(「続編を夢見た」ではない。マジで見た)ものだが、十中八九続編があるとは思っていなかった。しかしてその後は、いくつかのスピンオフを経て、作者自身の手による「真の」続編が現在連載中である(車田ペン入れろってゆーな)。
「ネギま!」が終わったとき、続編は微妙だと思った。「そこそこ売れた作品」には違いないが、作者の意欲・やり残した思い、読者の期待度、市場の需要・出版社の皮算用等あわせて考えると、当落線上ギリギリの感じ・・38巻の「作者からひとこと」を見てもほとぼりがさめた頃の読み切りか短期連載あたりという印象だった。
しかし、少なくともこの作者が「ある」と言えばそれはきっとあるのだろう。
それだけに新作の連載が具体化した頃の「次回作が売れなかったら引退する」発言には違和感を覚えた。私は赤松健のことは良くは知らないが、世間の評価から「不用意な発言をしない堅実派でその分言ったことは違えないタイプ」と認識していた。それゆえ前述の「『ある』と言えばきっとある」との判断に至ったわけだが、「次回作が売れなかったら引退する」となると、「ある」はずのものの可能性が消える。矛と盾である。
私はこれを勝手に、いい意味でこの作者がハジけたのだろうと解釈した。私の好きな漫画家・永井豪は先のことは考えずに勢いで描くタイプ、水島新司は言ったことでも守らないタイプの典型で、赤松健とは真逆である。しかしそれが作品の面白さとしては確実にプラスになっている両巨匠でもある。
赤松健が新連載にあたり、これまでの自分に無かったものを補う意味で敢えてのプロレス的発言・・それが引退発言の真意であり(また、「赤松健は引き際を模索している」「実業家への専念を画策している」との風潮に乗っかったブラックジョークでもあり)、新作がコケても引退する気などさらさらないのだろうと考えた。
しかし、思わぬ抜け道があった。
新作=続編ならば・・いかなる結果になろうとも、どちらの約束も破ることはない。自慢の宇宙機雷をヤマトの諸君に素手で突破された時のデスラー総統の表情が脳裏をよぎった。あるいは承太郎ばりに「してやられたというわけか?」と言う場面か。決して「一度は言ってみたかったセリフ」では無い。いつもの「その手があったか!」とは異なる釈然としない思い・・「赤松健はどこまで行っても赤松健と言うことかッ!ならば私は・・意地でも続編とは認めんッ!!」・・・・・しかしこれはネットの情報に翻弄された私の勇み足。実際に読んでみると、言うほど続編ではなかった。
(続く)
テーマ:UQ HOLDER! - ジャンル:アニメ・コミック
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